とか「ここには保険の効くグルコサミンはおいてない?」とか「私は飲むヒアルロン酸を飲んでいるからヒアルロン酸の注射はいらない」とかやたらとグルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸といったサプリについての質問を寄せられる。
確かにお昼にテレビをつけるとその半数以上がこれらのサプリ、サプリ、サプリ・・・に医者の私でさえ洗脳をうけてしまいそうである。 サプリ=日本においては食品なので薬ではない。だからこれらのCMを見ていると効くとかの文句はなく全て役者の様な体験者の感想だけで成り立っているのも特徴である。
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この土曜日、東京慈恵医大整形外科のM教授の変形性膝関節症の最新の話題に関する講義を聴いてそのサプリに対する面白い知識が得られたので紹介します。
これらのサプリの是非については、これまで沢山の論文があったがそのほとんどについては否定的な内容である。
今年スイスのPeter Jüni教授らからが今までの論文をまとめるべく発表された論文によるとその結論は...
プラセーボと比較してグルコサミン、コンドロイチンそして二つの併用による治療は関節痛を軽減させることはなく、関節間隙の狭小化にも効果が見られない。
効果が得られるとしたら服用した事による満足感、いわゆる気のものなのだろう。
との事でした。この研究はメタアナリシス(meta-analysis)といって過去に行われた複数の研究結果を統合し、より信頼性の高い結果を求めるこ統計解析の手法を使っており信頼性は高い。
今回の論文とは別ですが飲むヒアルロン酸においては全く根拠のない無効とのこと。
これで来週から患者様に聞かれても止めろとは言わずとも「全く効果がない!」との自信をもった返答ができそうです。 M教授が言っておられたがこの最近の膝が治る?サプリブームにのっとり、日本有数の多数の大企業が医学的根拠により効かないのが解っているこれらの食品を売り利益をあげている倫理のなさを嘆いておられた。
しかしこれは一ブームに終わるのか? 高齢化社会、どんどんと膝が悪くなる方は増える一方だし、ヒアルロン酸の注射は痛いし、手術以外の画期的な治療もあるわけでなく藁へもすがる患者の気持ちも十分わかる。 関節症になる前の体重管理や筋力維持も重要になってくる。
余談だがサプリの安全性有効性情報としては独立行政法人 国立健康・栄養研究所からも情報が得られるのでご参照あれ! これによると飲むヒアルロン酸においてはその効果も安全性も確立されていないですよ。 サプリにおいては口にするもの、ブームに頼らずその根拠と安全性をもって食するのは必須ですね。
もっと勉強したい人は...
BMJ. 2010; 341: c4675. | Effects of glucosamine, chondroitin, or placebo in patients with osteoarthritis of hip or knee: network meta-analysis |
By 院長