2009年5月24日日曜日

新型インフルエンザに動揺しない為のエビデンス その②


新型インフルエンザは、いずれ数年後に季節性インフルエンザとなって誰でも罹患 しうる病気になってしまう。

☆★☆ なるほど、ということはこのパニックが終わっても手洗いやうがいはしばらくは習慣づけた方がいいって事だな。 騒ぎがおさまった今年の秋以降も個々の自己管理は必要だ! ☆★☆

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 今回のS-OIVが出現・流行する以前のわが国では、来るべき新型インフルエンザでは高 病原性鳥インフルエンザ(H5N1)がいずれヒト-ヒト感染性を獲得して主役をなすという 想定が支配的であったことや、数年前のSARSで被害が甚大であったことの影響から、ど のようなものが出現しても新型インフルエンザは死亡率の高い感染症であり、可能な限 り罹患を避けるべき疾患であると大多数の国民から思われてきました。しかし、過去の どの新型インフルエンザでも、出現して1~2年以内に25~50%、数年以内にはほぼ全て の国民が感染し、以後は通常の季節性インフルエンザになっていきます。現在流行して いる香港かぜもこのようにして季節性インフルエンザとなった歴史を持っており、今回 のS-OIVもやがては新たなH1N1亜型のA型インフルエンザとして、10年から数十年間は流 行を繰り返すと見込まれます。すなわち、今回の新型インフルエンザ(S-OIV)の罹患を避けることは難しいのです。例えば、1957年のアジアかぜ出現時、全国の保健所職員と 家族を調査したところ7)、同年5月から7月の第1波で26%、9月から11月の第2波では30% が罹患したことが明らかにされています。アジアかぜの流行が始まってからわずか半年 間に56%が罹患発病したのです。特に、小児では80~90%が罹患したことも分かってい ます。しかし、アジアかぜはその後通常の季節性インフルエンザとなり、1968年の香港 かぜに代わるまで毎年流行しました。その香港かぜも最初は新型でしたが、今では季節 性インフルエンザとなっています。 

7) 福見秀雄、後藤敏夫、平山 雄、草野信男:アジアかぜ流行史.東京: 日本公衆衛 生協会; 1960 

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