一題目はリウマチの[LCAP(エルキャップ)療法」という治療についての話です。
関節リウマチとは簡単に言うと身を守ってくれるはずの免疫のシステムが狂い関節を攻撃して関節を破壊する病気です。LCAP療法とは血液透析のようにフィルターを使い悪い白血球を除去し関節の破壊=リウマチの進行を阻止しようとする治療なのです。 血液検査や臨床症状等から適応は限られますが今回は高槻日赤病院においてのその治療成績等の話でした。(なるほど・・・)
これで年末から日本整形外科学会認定リウマチ医の単位取得が無事終わりました。あとは、専門医資格のためのポイントを3月までに3ポイント取れば当面は安心?!
二題目は「骨軟部腫瘍診断のピットホール」という話。ピットホール→即ち「落とし穴」という話。
よく冷やかしで整形外科医ってレントゲンを撮って何も無ければシップを出して「お大事に!」だけで簡単でいいな! なんて言われたりします。
皮肉まじりの如く我々整形外科医は診察にあたり外観上変形も腫れも無くても痛みがあれば「まずレントゲンを撮りましょう!」と必ずいいます。
整形外科医ってレントゲンが大好き? お金儲けのためにレントゲンを???
真相は???
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答えはNoです。何故直ぐにレントゲンをとつかって? その訳は絶対に見落としが許されない骨肉腫などの悪性骨腫瘍があるからなのです。これらの疾患は早く発見できればできるほど予後は良いし、レントゲンを撮らないで怠慢したり見落としたりすると患者さんの生命にかかる大事な事なのです。 (そうなれば訴訟も恐いし!)
頻度的には大変低いのですが当院の様な小さなクリニックでさえ私が診療を始めたこの10年で3,4人の悪性骨腫瘍を発見しました。中には幼稚園の骨肉腫の女の子もいました。
ある程度進行した腫瘍は誰が見てもわかるはず、今回は骨腫瘍専門の医師でさえその診断が容易でない難渋した事例、その教訓ととても恐い話でした。全くレントゲンでわからずMRIで検査して米粒ほどの陰影が実は悪性度の高い骨腫瘍という症例もあり鳥肌が立ちました。
今日の私の外来は少し詳しくレントゲンを撮りすぎ? 詳しく=患者負担も少しup?
骨のレントゲン被曝量は特に患者さんの身体には問題ないレベルなので
- 悪性骨腫瘍の頻度は低いので精度を無視し低コスト重視にする。
- 悪性骨腫瘍の頻度は低いとは言え、精度を上げるためにレントゲンの枚数を上げる。
By 院長