2007年8月31日金曜日

妥協のない装具作り

脳血管障害で右側の体が麻痺したAさん、現在当院の通所リハビリで必死に歩行訓練を含む片麻痺(半側の体の麻痺)の専門的なリハビリをやはり脳血管障害後の後遺症についての専門機関で長年リハビリをやってきたスパルタ作業療法士Hさんをはじめとするセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語療法士)を中心に頑張っておられます。

今回、以前より罹患していた右側の外反母趾、麻痺も伴い痙性が強く歩行練習をしているうちに硬い第1趾が第2趾の上に乗っかかり第2趾が赤く今にも皮膚が障害を起こす手前でした。そこでスパルタ作業療法士Hさんの意見もあり外反母趾の装具を作成し少しでも歩きやすいようにする計画をたて当院が依頼している義肢装具士に来ていただきました。



余談ですがよく外反母趾の趾の間にスペーサーや矯正サポーターなどが薬局等に売られていますが、趾を引っ張って真っ直ぐにすれば治ると言えるほど単純な病気ではありません。(整形外科ではあまり行いません。)元々外反母趾とはの指の付け根の幅が広がり開張足といわれる足の横のアーチ(かまぼこ型の骨の並び)が壊れ母趾の爪側が外に回転し次第に母趾が外反してくるのが原因です。

最初はそのアーチをサポートする為の足底板を作成するのが目的でしたが採寸1週間後に足底板ができあがったのですが "ただの外反母趾"ではないので今ひとつ・・・、そこで作業療法士、義肢装具士、私とで「ああでもない、こうでもない」と議論を重ね2週間後には理想の装具の原型ができあがりました?!


装着して貰った感じはこんな感じです。実際にAさんに歩いて貰いましたがなかなかのもの(まだ、仮あわせの段階ですが・・・)



て事で来週完成です。通常装具は採寸し1週間後に完成、問題無ければ納品という手順ですが今回はもう既に2週間もかかっています。
でも、いいものが完成しそうです?!
私の知っている限りアーチを考慮し、矯正のサポートも兼ねる装具は見たことがありません。(サポーター型は除く)嬉しかったのは、セラピスト、義肢装具士さんが妥協せず時間をかけて心から患者様の為に誠意を持って作ってくれたこと。「あっ、これが本当のチーム医療だ!」と思ったりして・・・感激!     感謝します _(._.)_。

By院長